詳細不明カードの真贋鑑定依頼が来たので、対応してみた。

「このカードが本物であるかどうか調べて欲しい。本物ならオークションに出品したい」

ぼくの元にこんな依頼が来たのはつい最近のことだった。

前回、下記のような記事を製作するに至った動機は、この依頼があったからである。

www.yugioh-card-collection.com

 

さて、上記の記事のタイトルを読んで頂ければなんとなく察して頂けると思うが、一般的に出回っているコレクションカードの真贋なら楽だ。なぜなら、正式なカードと比較すれば良いだけだし、そもそも大抵のカードは実際に触れれば紙の質感で大体答えが出る。精度の悪い贋作はそもそも見ただけで違和感を感じるものなので、それで終わり。しかし、今回の依頼品は一癖も二癖もあるものだった。

遊戯王コレクションの世界

資料①

 

遊戯王コレクションの世界

資料②

遊戯王コレクションの世界

資料③

遊戯王コレクションの世界

資料④

これら以外にも似たようなカードが複数枚あった。実際触れてみたが、きちんとしたカードだった。なんだこれは。初めて見た時の感想はそれだった。こういった情報量の少ないカードを調べる場合、先ずは詳細を把握することから始まる。情報ソースを依頼者から譲受け、早速調べてみることにする。

 

遊戯王コレクションの世界

※資料5

遊戯王コレクションの世界

※資料6

 

www.lppcollecting.it


要約すると。

「これらのカードはMTGやポケモンカードで行われていたプレゼントキャンペーンを参考に、大会名と開催日を刻印した各カードイベントに特化したものを用意した。その習慣は海外で定着し、いつしかその習慣は一般的なお祝いごとでも使われるようになった。これらのカードはブロンズプレートで製作され、同じものを製作する回数が限られており、失敗したカードや余ったカードは破棄されるルールになっていた。」

 

ということだ。もちろん、この情報ソースが本当かは今の段階では不明であるし、多少異なる伝われ方をしている可能性もある。なのでまずはこの情報が信用できるものなのかを調べる必要があった。調べる方法として、先ずはこのHPのページがいつ製作され、ドメインがいつ頃製作されたものなのかを調べる。

 

・ドメイン・HPサイトの制作日の調べ方。

さて、この調べ方についてだが、とあるツールを使用することで正確な情報を炙り出すことができる。だが、これは関係者だけが知っておくべきものであるし、一般に知れ渡ると悪用される可能性が高いツールなので、ツールの詳細は伏せておく。

 

遊戯王コレクションの世界

※結果はこちら

遊戯王コレクションの世界

※訳してみた。

調べてみるとドメインの制作日は2000.11.9に制作されており、ドメイン名がサイト名と一致していることから、古いドメインを購入して運用しているわけではなさそうだ。つまりこのサイト自体は詐欺行為を目的として製作された訳ではないことがわかった。さらにこのサイトはどうやらイタリアで唯一のコナミ公認のカードショップが運営しているようで、その歴史の古さ、サイト内の莫大な情報量を考えるとしっかりした情報ソースだということがわかった。カードを高く売りつけるためだけに、わざわざここまで入念に下地を作るわけがないし、しかもこのサイトはYouTubeで9年前から動画上げ続けているので、真面目に運営していることがわかる。詐欺を働く輩の場合、こういった地道な継続を行うことは不可能なので、この情報は信用しても良さそうだと判断した。

 

・本当に刻印されたイベント存在したのか?カードの製造日と刻印時期の整合性を調べる。

次に調べるべきことは、刻印されたイベントが実際に存在するのか?カードの製造日と刻印時期の整合性が取れているかを調べる必要がある。正直、依頼されている枚数がそれなりにあるので大変だが、やるしかない。信用できる情報ソースを元にして整合性が取れているのなら、実物であることはほぼ確定的だと言える。

遊戯王コレクションの世界

Q.実際に行われた大会か?

A.Citt dei Duelli 8 versione italiana (25 Luglio 2010)にて配布。

大会情報ソース

www.lppcollecting.it

配布カードの情報ソース

https://www.lppcollecting.it/zz_improdotti/YG-CSET-0008.jpg

Q.カードの制作日と大会開催日に整合性があるか?

A.カード自体の流通が2009.4.21で大会配布が2010.7.25なので整合性が取れている。

yugioh.fandom.com

遊戯王コレクションの世界

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Q.実際に行われた大会か?

A.Citt dei Duelli 8 versione italiana (25 Luglio 2010)にて配布

大会情報ソース

www.lppcollecting.it

配布カードの情報ソース

https://www.lppcollecting.it/zz_improdotti/YG-CSET-0008.jpg

Q.カードの制作日と大会開催日に整合性があるか?

A.カード自体の流通が2009.4.21で大会配布が2010.7.25なので整合性が取れている。本来IT表記だが、このカードはENとなっており、最初は怪しかったが、大会記念刻印のフォントが同一のものであるので、EN版のカードもおそらく配布されていた可能性大。

yugioh.fandom.com

 

遊戯王コレクションの世界

Q.実際に行われた大会か?

A.Citt dei Duelli 8 versione italiana (25 Luglio 2010)にて配布

大会情報ソース

www.lppcollecting.it

配布カードの情報ソース

https://www.lppcollecting.it/zz_improdotti/YG-CSET-0008.jpg

Q.カードの制作日と大会開催日に整合性があるか?

A.カード自体の流通が2009.4.21で大会配布が2010.7.25なので整合性が取れている。

yugioh.fandom.com

 

遊戯王コレクションの世界

Q.実際に行われた大会か?

A.Citt dei Duelli 8 versione italiana (25 Luglio 2010)にて配布

大会情報ソース

www.lppcollecting.it

配布カードの情報ソース

https://www.lppcollecting.it/zz_improdotti/YG-CSET-0008.jpg

Q.カードの制作日と大会開催日に整合性があるか?

A.カード自体の流通が2009.4.21で大会配布が2010.7.25なので整合性が取れている。本来IT表記だが、このカードはENとなっており、最初は怪しかったが、大会記念刻印のフォントが同一のものであるので、EN版のカードもおそらく配布されていた可能性大。

yugioh.fandom.com

 

遊戯王コレクションの世界

Q.実際に行われた大会か?

 A.Merry Christmas & Happy New 2009 Year (5 Carte)にて配布

大会情報ソース

www.lppcollecting.it

配布カードの情報ソース

https://www.lppcollecting.it/zz_improdotti/YG-CSET-0006.jpg

Q.カードの制作日と大会開催日に整合性があるか?

A.カード自体の流通が2008.9.2で2009のクリスマスから翌年の新年に記念配布されているので整合性が取れている。

yugioh.fandom.com

遊戯王コレクションの世界

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Q.実際に行われた大会か?

A.2018.10.21にHALLOWEEN YGO CUP LPPCOLLCTING 2018にて配布(動画内に複数枚の該当カードを確認)

www.youtube.com

Q.このカードの制作日と大会開催日に整合性があるか?

A.カード自体の流通が2016.4.14で2018.10.21の大会で実際に配布されているので整合性が取れている。

遊戯王コレクションの世界

Q.実際に行われた大会か?

A.Pharaoh Tour Cup 2007, Domenica 21 Ottobre 2007 にて配布。

配布カードの情報ソース

https://www.lppcollecting.it/zinclude/carta-preview.php?cod=YG-CE-2007-I013&cartella=yugioh

Q.このカードの制作日と大会開催日に整合性があるか?

A.カード自体の流通が2004.3.1で大会開催が2007.10.21に行われてるので整合性が取れている。(配布された景品情報とも一致)

www.lppcollecting.it

 

遊戯王コレクションの世界

Q.実際に行われた大会か?

A.2010.5.23にPRIMAVERA CUP 2010が行われている(配布された景品情報とも一致)

大会記録の情報ソース

www.lppcollecting.it

Q.このカードの制作日と大会開催日に整合性があるか?

A.カード自体の流通が2005.1.1にで大会が2010.5.23に行われてるので整合性が取れている。

yugioh.fandom.com

遊戯王コレクションの世界

Q.実際に行われた大会か?

A.2009.9.20にGiochi Senza Frontiere 2009にて配布(掲載されている景品情報とも一致)

www.lppcollecting.it

配布カードの情報ソース

https://www.lppcollecting.it/zinclude/carta-preview.php?cod=YG-CE-2009-E011&cartella=yugioh

Q.このカードの制作日と大会開催日に整合性があるか?

A.カード自体の流通が2007.7.25で、イベント開催が2009.9.20なので整合性が取れている。

yugioh.fandom.com


・結論は?

元の情報ソースの信憑性を元に調べ尽くした結果。これらのカードは実際に大会が行われており、景品情報とも一致しており、景品に使用されたカードの製造時系列にもおかしな点が存在しないことから、実際に行われた大会で配布されているものだとわかった。帝に関しては一部、不審な点があったものの大会記念に刻印されたフォントが一致していることから一部EN版も存在している可能性の方が高く、ここまでの情報と整合性が取れている以上、実物と判断して問題ないと判断。そもそもコレクター市場内で金銭的価値のないアイテムをわざわざここまで念入りに仕込む事は労力的にあり得ないので、偽造の線はほぼないだろう。今回提供して頂いた画像はカタログ制作に使用する画像をそのまま貰っているので、どこの依頼なのか、そのうちわかるかと思う。それにしても、世界にはまだまだ未知のカードがあるようで安心した。世界は面白いもので溢れている。

 

※追記。

記入できてなかったことなのですが、それぞれの発行枚数を知りたい場合、今回提示した情報ソースから発行枚数を調べられるので、気になる方は調べて見ると良いかもしれませんね。

 

最後に、情報ソースとなったカードショップLPPCOLLECTING.itをご紹介しようと思う。

www.youtube.com

www.lppcollecting.it

www.facebook.com